研修や福利厚生のサービスもある
建設業では、鉄工や塗装などの業種を問わず、しばらく雇われて働いた人が個人事業主、つまり一人親方として独立することがよくあります。
こうした一人親方は、下請けや孫請けとして働くため労働者に近い面も持っています。しかし、契約としては請負で働く事業主である以上、労働災害が起きたときにはなんの保障も受けられないことになりかねません。
これをカバーする制度があります。
一人親方特別加入という言い方をするこの制度は、労災保険の特別加入とも言います。
これは、一人親方その他の個人事業主が、自分で自分を労災保険に加入させることで、もし事業主自身に労働災害が起きても、労災保険の制度から保険給付が受けられるようにできる制度です。
建設業の一人親方がこの制度を利用する一番簡単な方法は、建設業の組合にいったん入った上で、この組合を通じて加入する、というものです。
このほか、社会保険労務士や商工会を通じて労働保険事務組合に加入し、この労働保険事務組合を通じて労災保険に任意加入できますが、ここでは説明を省略します。
建設業の組合には、全国規模のものでも何種類かあります。全国建設組合総連合のように、労働組合を兼ねているものもあります。逆に、特定の政党と関係が強すぎたりする組合もありますから、加入する組合を決めるには同業者内での評判を聞いてからにするのがよいでしょう。
この組合が労働保険事務組合を兼ねているため、労災保険の特別加入ができるのです。建設業の組合ではこのほかに、組合員向けに研修や福利厚生のサービスを用意していることが一般的です。