保険料は全額が社会保険料控除の対象
企業などに就職すると、必ず労災保険に加入することになります。労災保険は正式名称を「労働者災害補償保険」と言い、企業に勤務している従業員(労働者)が業務中に災害に遭ったり、通勤途中に傷害を受けたりした時の補償を目的とした制度です。従って、労働者以外は対象外であり、企業の経営者や自身が事業主になっている「一人親方」は呼ばれる人は労災保険の補償を受けられません。当然、下請として入った現場で事故に遭っても、元請の労災保険の対象になりません。
しかしながら、建設業における鳶職や左官業などの一人親方は業務の実態が一般の労働者と同一のようなものであるため、労働者ではありませんが労災保険に加入することが特別に認められています。それを「一人親方労災保険特別加入制度(一人親方労災保険)」と言い、通常の労災保険と同様、国が管理しています。
ちなみに、一人親方労災保険に加入できるのは建設業に従事している人で、従業員を雇用していない、若しくは、従業員の雇用期間が年間100日以内であることが条件になります。なお、一人親方と生計が同一である家族従事者も加入できます。
一人親方労災保険に加入すると、保険料は全額が社会保険料控除の対象となり、業務や通勤上における被災の治療費や入院費は全額補償され、傷病が完治するまで保険から休業補償が受けられます。なお、休業補償は1日に付き、給付基礎日額の60%と特別支給金として20%、計80%相当額の給付金が支給されます。